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キュービクルはなぜ必要?必要となる電力量や建物の規模を解説!

キュービクルは大きな施設や建物に設置されています。一見すると単なる大きな箱のように見えるかもしれませんが、実は建物の電力供給において非常に重要な役割を果たしているのです。

この記事では、キュービクルの必要性や、その設置が求められる条件、規模について詳しく解説していきます。

キュービクルが必要となる電力量や建物の規模

キュービクルは、高圧受電設備の一種で、ビルや工場、商業施設などで使用されることが一般的です。以下に、キュービクルが必要となる電力量や建物の規模に関する一般的な基準をまとめた表を作成しました。この情報は参考値であり、実際の要件は地域の電力会社の規定や建物の設計により異なる場合があります。

電力量 (契約電力)建物の規模例キュービクルの設置が必要か備考
~50kW小規模店舗、事務所不要単相三線式低圧受電(200V/100V)が一般的
50kW~100kW中規模オフィスビル、小規模マンション必要一般的に高圧受電(6.6kV)設備が必要
100kW~500kW中規模商業施設、オフィスビル必要キュービクルの設置が推奨される
500kW~1000kW大規模オフィスビル、大型マンション必要複数のキュービクル設備が必要になる場合がある
1000kW以上大規模商業施設、工場、病院必要キュービクルの容量や配置に関する詳細な設計が必要
2000kW以上超高層ビル、大型工場必要特別高圧受電設備(20kV以上)が必要な場合もあり、専用変電所が必要なことがある

注意事項:

  1. 電力量とキュービクルの必要性: 一般的に、契約電力が50kWを超える場合には高圧受電が必要とされ、キュービクルの設置が求められることが多いです。50kW以下の場合は低圧受電で対応可能ですが、設備や需要の拡大を考慮すると高圧受電に切り替えることも検討されます。
  2. 建物の規模と用途: キュービクルの設置が必要かどうかは、建物の用途(例:商業施設、工場、オフィスビルなど)や規模(例:階数、延べ床面積など)により異なります。上記の表はあくまで一般的な目安です。
  3. 法規制と規格: 電気設備の設置には、電気事業法や建築基準法などの法規制に基づく安全基準や規格に従う必要があります。また、地域ごとの電力会社が定める設置基準も考慮する必要があります。

キュービクルの設置に関するアドバイス:

  • 設置計画の初期段階で、専門の電気技術者や電力会社と相談することが重要です。
  • 将来的な増築や電力需要の増加を見越して、余裕を持った設備設計を行うことが推奨されます。

最新の規定や具体的な設置要件については、地域の電力会社または専門の電気設備業者にお問い合わせください。

キュービクルの必要性

キュービクルは、電力会社から供給される高圧の電気を受電し、建物内で使用できる低圧の電気に変電する設備です。一般的に、大規模な施設や店舗、工場などに設置されており、安定した電力供給を確保する上で欠かせない存在となっています。

しかし、キュービクルは高額な設備であるため、必要となる具体的な条件や規模を理解し、設置の必要性について慎重に検討する必要があります。

なお、キュービクル以外にも高圧で受電するための設備はありますが、施工性や安全性、メンテナンス性などが優れていることから、小・中規模の高圧受電契約ではキュービクルを設置することが主流です。

キュービクルが必要な高圧受電契約

キュービクルは電力会社と高圧受電契約を結んで、高圧の電気を受電するための設備です。そのため、キュービクルの必要性を知るためには、まず高圧受電契約について知る必要があります。

高圧受電契約とは?

高圧受電契約とは、電力会社から高圧(6,600ボルト)の電気を直接受電する契約のことです。一般家庭や小規模な店舗などで使用される100ボルトや200ボルトの電気とは異なり、大量の電力を効率的に供給するために使用されます。

しかし、高圧の電気はそのまま使用することはできません。そのため、高圧受電契約を結ぶ場合には、電力会社から受け取った高圧の電気を建物内で使用可能な低圧の電気に変換する必要があります。そのための設備がキュービクルなのです。

高圧受電契約となる条件

高圧受電契約が必要となる主な条件は契約電力の大きさです。電力会社の規約により、一般的に50kW以上では高圧受電契約が必要となります。

契約種類電圧電気容量特徴
高圧受電契約6,600V50kW以上2,000kW未満低圧電力に変換して使用する
低圧受電契約100/200V50kW未満そのまま使用できる

最大電気容量50kW以上に該当する場合、高圧受電契約を結ぶ必要があり、それに伴いキュービクルの設置も必要となります。

ただし、地域や電力会社によって具体的な基準が異なる場合もあるため、詳細については電気工事業者などの専門家や最寄りの電力会社に確認することをおすすめします。

キュービクルが必要となる規模

では、具体的にどのような規模の施設でキュービクルが必要となるのでしょうか。ここでは、いくつかの例を挙げて説明します。

ここで紹介するのはあくまで目安であり、50kW以上の電力が必要となるかは詳細な設計を元に計算する必要があるため、実際に工事を行う際には設計事務所や電気工事業者に検討を依頼しましょう。

大規模オフィスビル

小規模な事務所では一般家庭と同様に低圧受電契約が可能な場合もありますが、一定規模以上のオフィスビルでは必要な電力量が50kW以上となるため、高圧受電契約となり、キュービクルが必要となります。

オフィスには、工場や商業施設のような大型の電気機器は少ないイメージがありますが、空調機器など、意外と大きな電力を使用する機器があります。そのため、大規模なオフィスビルでは、キュービクルの設置が必要となる可能性が高いでしょう。

商業施設・スーパー・ショッピングモール

大型の商業施設では、多数の店舗や共用部分の照明、空調、エスカレーターなどに大量の電力が必要です。

また、扱う商品によっても必要な電力が変わってきます。例えば、生鮮食品などを販売する場合は大型の冷蔵・冷凍設備が設置されるため、このような設備の多いスーパーマーケットやコンビニは小規模な店舗でも大きな電力を必要とします。

街中にある一般的なコンビニの多くも、空調や冷蔵・冷凍設備の電力を供給するため、キュービクルが設置されているのです。

工場

工場では、大型の工作機械や生産ラインを稼働させるために大量の電力を使用します。そのため、多くの工場でキュービクルが設置されています。

しかし、大型の工場ともなると、キュービクルで供給できる範囲を超えてしまい、かえってキュービクルが使用できないケースもあります。その場合は、開放型高圧受電設備などが用いられます

旅館・ホテル

個人経営の民宿や客室が数部屋程度の小規模な旅館・ホテルであれば、ほとんどの場合で一般家庭と同じ低圧受電契約を行っているでしょう。しかし、これらの宿泊施設は部屋数に応じて必要な電気量が変動するため、一定規模以上の旅館・ホテルではキュービクルが必要となります。

客室数が100室を超えるような大型の旅館・ホテルでは、客室の空調や照明、レストランの厨房設備などで大量の電力を消費します。そのため、キュービクルの設置が必要となることが一般的です。

病院

24時間体制で運営される病院では、医療機器や空調設備などに常時大量の電力が必要です。また、入院患者を受けて入れている病院では、病室の数に応じても必要な電力量が増加します。

個人経営の診療所やクリニックであれば低圧受電しているケースもありますが、大規模な総合病院では、キュービクルの設置は必須と言えるでしょう。

一定規模以上の建物にはキュービクルが必要!

ここまで説明したように、一定規模以上の建物に電力を供給するためにはキュービクルは欠かせない設備となっています。現在では高圧受電設備の主流となっているため、意識してみると街中の様々なところでキュービクルを見つけることができるでしょう。

キュービクルは高額な設備であり一度設置すると保守のコストもかかるため、できれば設置したくないと考える方もいますが、50kWを超える電力を使用する場合は必要な設備です。建物の規模や使用目的、設置する電気設備などを元に使用する電力などを把握し、キュービクルの必要性についてきちんと検討しなければなりません。

そのためには、設計事務所や電気工事業者などの専門家に相談することをおすすめします。

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