キュービクルの法定耐用年数と実際の更新時期を解説

キュービクルには法定耐用年数が定められています。しかし、法定耐用年数で交換する義務があるわけではなく、実際には法定耐用年数を経過後も使用可能です。

この記事では、キュービクルの法定耐用年と実際の更新時期の違いや、法定耐用年数の内容について説明します。

キュービクルの法定耐用年数と実際の更新時期について

キュービクルの法定耐用年数と実際の更新時期について、以下の表にまとめました。キュービクルは高圧受電設備の一種であり、適切なメンテナンスと点検を行うことで安全に使用することが求められますが、法定耐用年数を過ぎると更新が推奨されます。実際の更新時期は使用状況やメンテナンスの状態により異なることが多いです。

項目内容詳細説明
法定耐用年数15年(財務会計基準による)法定耐用年数は、税法に基づき減価償却を行うための基準。
実際の更新時期15〜20年が一般的実際の使用状況に応じて、劣化の程度が異なる。
更新の判断基準経年劣化、故障頻度、技術進歩点検結果や機器の状態を総合的に判断。
点検頻度年次点検(1年に1回)、総合点検(5年に1回)定期的な点検により、安全性と信頼性を確保。
主要な劣化部分絶縁材料、遮断器、配線、変圧器高温・湿気・振動などにより劣化しやすい。
更新費用約100万円〜300万円(設備の規模に依存)更新の際には、予算計画が重要。
更新時の考慮事項最新の規格や技術への適合、エネルギー効率更新により安全性と効率が向上。
延命対策定期メンテナンス、部品交換、劣化診断適切な延命対策を施すことで、使用期間を延長可能。
更新のメリット安全性の向上、故障リスクの低減、運用コストの削減新しい設備の導入により、トラブルが減少し、運用が効率化。

注意点:

  1. 耐用年数の基準:法定耐用年数はあくまで財務会計上の目安であり、実際の設備の状態や使用環境によっては、それ以前に更新が必要になる場合があります。
  2. 定期点検の重要性:年次点検と総合点検を確実に実施し、設備の状態を把握することで、適切な更新時期の判断が可能になります。
  3. 技術の進歩:最新の技術や規格に基づいた設備への更新は、エネルギー効率の向上や運用コストの削減につながります。

キュービクルの更新計画を立てる際には、定期点検の結果や、設備の使用状況、経済的な観点を考慮して、最適なタイミングを見極めることが重要です。

国税庁の法定耐用年数と実際の更新時期の違い

法定耐用年数とは、国が定めている償却資産の評価に用いる耐用年数のことです。高額で長期間使用する設備は、税務上減価償却の対象となり、設置した年にまとめて経費として計上することはできず何年かに分けて少しずつ償却します。このとき、何年に分けて償却するかを定めたものが法定耐用年数です。

法定耐用年数は税務上のルールであるため、法定耐用年数が経過したから使用できなくなるというものではありません。逆に法定耐用年数が経過する前でも、機器の状態が悪くなったり、機器が不要になったりすれば、交換や処分をすることもあり得ます。

ただし、法定耐用年数以内に交換や処分をすると、価値が残っている財産を処分したことになるため、その年に残存価値をすべて償却する会計上の処理が必要となります。残存価値の償却は損失と見られるため、法定耐用年数以内の交換や処分はできるだけ避けることが一般的です。

キュービクルの法定耐用年数

法定耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で定められており、国税庁がまとめている「主な減価償却資産の耐用年数表」で確認できます。キュービクルは「建物附属設備」の「電気設備(照明設備を含む)」「その他のもの」に該当するため15年です。

ただし、用途によっては異なることがあり、例えば工場で製造装置の電源として使用される場合は「機械・装置」に分類され、その業種ごとの耐用年数が適用される場合があります。

中古キュービクルの減価償却期間

キュービクルは、中古であっても程度が良く使用に耐えるものであれば、中古市場で取引され再使用されることがあります。

中古キュービクルを購入した場合の法定耐用年数は、原則として新品と同じ15年です。しかし、中古キュービクルの使用期間を新品と同じとみなすのは実態と合いません。そこで、新品の50%以下の価格で取得した場合には、実際に使用可能な期間を見積もって減価償却期間とすることができます。

とはいえ、将来に渡って使用可能な期間を正確に予測することは困難です。そのため、簡便法と呼ばれる計算方法が定められています。簡便法による計算方法は以下の通りです。

簡便法による耐用年数の算定方法は、次のとおりです。

1 法定耐用年数の全部を経過した資産
その法定耐用年数の20パーセントに相当する年数

2 法定耐用年数の一部を経過した資産
その法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20パーセントに相当する年数を加えた年数

なお、これらの計算により算出した年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には2年とします。

出典:国税庁(タックスアンサーNo.5404 中古資産の耐用年数)

なお、通常の法定耐用年数15年を適用するか別途耐用年数を算定して適用するかは任意ですが、取得した最初の年度に決める必要があり後で変更することはできません。

キュービクルの機器ごとの法定耐用年数

キュービクル内には変圧器(トランス)をはじめ、単体でも償却資産に当たる機器が多く含まれています。機器ごとの法定耐用年数も概ねキュービクルと同じ15年です。

このため、キュービクルの法定耐用年数が経過していても、機器を交換すると対象の機器のみ原価償却期間中となることもあります。

キュービクル全体を交換せず、劣化した機器だけを交換することはよくあるため、機器ごとに償却期間が異なる可能性がある点に注意しましょう。

キュービクルの定期点検と更新時期

それでは、キュービクルの実際の耐用年数・更新時期はどうなるのでしょうか?ここで、キュービクルの更新時期について説明します。

キュービクルは定期点検が必要

キュービクルは高圧電力を扱う重要な電気設備であるため、法令により定期点検が義務付けられています。専門の資格を持った電気主任技術者が毎月点検を実施しなければなりません。さらに年次点検ではキュービクルを停電させ、すべての機器を詳細に点検する必要があります。

キュービクルの更新時期

キュービクルの実際の耐用年数はおおよそ20年と言われています。

しかし、キュービクルは定期点検を実施するため、劣化している場合は点検で発見することが可能です。また、内部の機器だけを交換したり、塗装や部分的な補修を行ったりすることでキュービクル本体は20年以上の長期にわたり使用できる場合もあります。

逆に使用状況などの影響で劣化が早く、20年に満たなくても交換が必要と判断される場合もあるでしょう。キュービクルの交換は数百~数千万円もの費用がかかりますが、事故が起きるとそれ以上に大きな被害がでる恐れがあるため、しっかりとした対応が必要です。

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