キュービクルの内部構造を徹底解説!

キュービクルは高圧受電設備においては最も一般的であるため、外観を見たことがある方は非常に多いのではないかと思います。

外観と設備の用途から、受配電に必要な設備が入っているということは何となく想像がつくとは思いますが、具体的な内部構造はというと、意外と知らないことが多いのではないでしょうか。

キュービクルの内部構造について細かく解説していきます。

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キュービクルの受電箱と配電箱

キュービクルは主な構成として受電設備を内部に持っている受電箱と、低圧化し配電を行う用途の内部を持っている配電箱に大きく分けられます。

受電箱の内部には電力会社からの引き込み線を接続し、構内で事故や電力超過が起きた場合に緊急遮断をする主遮断器などが内部に構成されています。

配電箱には、受電箱に受電した高圧の電気を低圧にする変圧器や高圧を分岐するための高圧配電盤、力率改善のためのコンデンサ、リアクトル類、低圧配電盤などが主な構成品となります。

キュービクル 受電箱の内部構造

引込盤

まずは電力会社からの受電を行うための受電箱の内部構造について説明します。

引き込み線を取り込む引き込み盤があります。

電力会社からの三相6600Vの線を引き込みます。ただ引き込む線が取り込まれています。引き込む線が3本あり、高圧電気は同じ電力を供給するのに電圧が高くなるため、電流が少なくなります。そのため、低圧受電の際よりも細い線で足りてしまうため、広い盤内に3本の線が引かれているだけのように見えます。

盤内の構成に余裕がありすぎるように見えるかもしれませんが、高圧の電気は低圧と異なり、三相の線が近づきすぎると、相間で空気の絶縁破壊をおこしリークしてしまいます。

そのため、高圧ケーブルのような特殊な絶縁がされたケーブル以外の部分は、三相一定の間隔の離隔距離をとる必要があります。

また、高圧ケーブルから通常の配線に接続する部分は、ケーブルの遮蔽金属部分に電界が集中しないよう導電テープを巻き三角錐のような形にする措置をとる必要があります。(ストレスコーンと呼びます)

高圧電気は電流が少ないため、配線は細いですがエネルギー密度が非常に高いため、低圧では行わない措置をとる必要が出てきます。

主遮断器盤

引込盤で受けた高圧電気を活線状態で電力会社からの接続を遮断できる遮断器を取り付ける盤です。

主遮断器は一般的には真空遮断器(VCB)が採用されています。真空状態の場所で高圧回路の遮断を行うことで、通常ではアークが発生するところを消滅させることができます。

このVCBによって、構内で短絡や電力需要の増加などで、回路に異常が出た場合も早急に遮断し、電力会社側への影響を抑えることができます。

VBCと連動して回路の過電流を検出し、VCB開放動作をさせる過電流継電器(OCR)や、メンテナンス時にVCBが誤って動作してもハード的に高圧回路から切り離す目的の断路器なども同じ盤に設置される場合があります。

また、電圧や電流を盤面に表示させる計測器も搭載されており、電圧、電流を検出するための計器用変成器も搭載されています。

主に事故時やメンテナンス時に主遮断器盤で電力会社との接続を開放し、影響を外部に出さないような役割を持っている盤です。

一般的なキュービクルは、上記に記載した引込盤と主遮断器盤については一つの盤で構成されていることが多く、受電盤という名称で、特注品でなければほとんどは向かって1番左側に位置している場合がほとんどです。

高圧配電盤

大規模ビルや工場など、大きな電力需要がある設備では、主遮断器盤の配下にいくつもの変圧器が接続される場合があります。

変圧器1バンクごとに部分停電をさせてメンテナンスを行う必要が出てきます。その場合、変圧器毎に高圧電力を分岐する高圧配電盤が必要となる場合があります。

構成は主遮断器盤と同様ですが、主遮断器盤の配下にあり、部分停電などを行う際にVCBを動作させ、メンテナンスを行います。また、高圧配電盤配下で短絡が起きても、主遮断器盤までの影響を出さずに部分的なものに抑えることができます。

主遮断器盤と変圧器が1対1であれば高圧電気を分岐する必要がありませんので、高圧配電盤は必要ありません。

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キュービクル 配電箱の内部構造

受電箱の次に実際に低圧電気を構内の各負荷に分岐する目的の盤が配電箱になります。

変圧器盤

高圧電気を取り込み、磁気エネルギーに変換して、電圧を変えて3相400Vや200Vなど実際に利用しやすい電気に変えるのが変圧器です。

変圧器は容量に応じて物理的な大きさが決まってきますので、盤の大きさも変圧器の容量に合わせて決まります。

最近の変圧器では、乾式のモールド変圧器が一般的になっていますが、少し古い設備であれば絶縁油を使用した油変圧器などもあります。

油変圧器では、油の温度を支持する温度計などが搭載されています。

変圧器盤は変圧器本体が高圧から低圧に変換する際のエネルギーの変換ロスが熱となって周囲に発散します。

そのため、変圧器盤には空冷を行うための換気扇が搭載されています。

換気扇は運転しっぱなしという状態ではなく、周囲温度に応じてオンオフを行う構成となっているのが一般的です。

進相コンデンサ盤、直列リアクトル盤

力率改善は高圧設備にとっては重要な要素です。

電力会社との契約の中にも「力率割引」というものもあります。

力率を100%に近づけるとそれだけ電気料金を割引するという契約内容です。

高圧電力の力率を改善するためには進相コンデンサや直列リアクトルを必要に応じて回路に投入する必要があります。

モータなどの誘導性負荷の運転が多い時間帯に進相コンデンサを投入すると、無効電力を打ち消す方向に働き、力率が改善されます。

進相コンデンサは近年、インバータなどの半導体機器からの高調波の影響を受けやすく、高調波が多すぎる場合、進相コンデンサに過大な電流が流れることによる破損が大きな問題となりました。

この高調波成分を進相コンデンサに流入するのを防ぐ目的で設置されているのが直列リアクトルです。

直列リアクトルを投入することで進相コンデンサをより安全に電力系統に接続することが可能となります。

低圧配電盤

変圧器で低圧電力に変換された電力を各負荷に接続するための遮断器(ブレーカ)を搭載しています。

高圧よりもより多くの負荷設備へ電力を供給することから、複数のブレーカが搭載されています。

水気の多い箇所への配線や、漏電の危険性のある場所への配線には漏電遮断器(漏電ブレーカ)の設置もされています。

漏電ブレーカの配下で接地線への電流が一定以上流入すると、漏電しているとブレーカが検知して自動的に回路を開放します。

漏電ブレーカの設置が義務付けられている回路は電気設備技術基準等の法律により決められていますので、低圧配電盤を設置する際には接続する負荷も網羅する必要があります。

その他の搭載機器

代表的な盤と搭載機器は以上の通りですが、以下のような危機が搭載されることもあります。

地絡継電器(GR)

過電流継電器(OCR)と合わせて設置されることが多いですが、高圧回路で地絡が発生した場合に、電力会社側に波及しないよう地絡を検知してVCBなどの遮断機器を動作させる継電器です。

PASと呼ばれる電柱上に設置される開閉器やUGSと呼ばれる地中から受電する場合のキャビネット内や借室などに設ける開閉器にGRの機能を持たせている場合もあります。その場合はキュービクル側のGRと同じ機能があるため、キュービクル側のGRは取り外すなどをしてより電力会社側に近いPASやUGSのGR機能を使用することにより、PASやUGSからキュービクルまでの高圧ケーブルに対しても保護対策を行います。

過電流継電器(OCR9)

上記と同様に地絡継電器(GR)と合わせて設置されますが、高圧回路に過剰な電流値が検出された場合に検知しVCBを動作させ、電力会社側への波及事故防止や自家用電気工作物や二次側の回路など全体の保護を目的としています。

高圧負荷開閉器(LBS)

VCBなどの大掛かりな遮断器ではなく、小規模な高圧設備に搭載されます。

開閉時にアークが発生するため、負荷電流を低く抑えた状態で開放、投入動作を行います。

LBSにはヒューズが設置されているため、過電流が発生した場合はヒューズ溶断により、回路を守ります。

VCBと比較して、メンテナンス作業時の制限は多いですが、設備的には安価なため、小規模で低価格の高圧設備に採用されています。

基本的には受電容量が300KVAを超える受変電設備にはVCB、超えない受変電設備にはLBSが採用されています。

避雷器(LA)

高圧受電点に雷などの大きな電圧が流入した場合に、接地側に逃がすことができる設備が避雷器(LA)です。

雷による機器の破損は、温暖化などの影響もあり、東京都内などでも年々増加しています。雷被害を最小限に抑えるためには、キュービクルに避雷器を行う必要があります。

避雷器を設置した場合、最も条件の厳しい接地種別であるA種接地(接地抵抗値10Ω以下)が必要になります。

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・その他にも、方向性地絡継電器(DGR)、零相電圧検出器(ZPD)、断路器(DS)、計器用変流器(CT)、零相変流器(ZCT)、計器用変圧器(VT)、高圧カットアウト(PC)、地絡過電圧継電器(OVGR)、試験端子(ctt)、高圧用や低圧用の電流計、電圧計、電力計、力率計、など、容量や副変電所への回路設計の用途など様々な機器を組み合わせてキュービクルなどの受変電設備を構成しています。

まとめ

キュービクルと一口に言っても、内部構造は設置された場所や契約電力、負荷の多さなどにより千差万別です。

メンテナンスや非常時の動作なども含めて様々な場合に対応できるよう多くの設備がキュービクル内には設置されています。

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キュービクル構造の最新動向(2026年)

― 高圧受変電設備の構造に起きている変化 ―

2026年の電気設備業界では、キュービクル(高圧受変電設備)の構造設計にも大きな変化が起きています。
従来のキュービクルは「変圧器・受電盤・遮断器などを金属箱に収めた構造」が基本でしたが、近年は省エネ基準の強化や電力需要の増加により、内部構造や設備設計が進化しています。

ここでは、2026年のキュービクル構造に関する最新ニュースを解説します。


2026年ニュース①

トップランナー変圧器の新基準でキュービクル構造が変化

2026年4月から、変圧器には**第三次トップランナー基準(省エネ基準)**が適用されます。

この基準により、変圧器の効率向上が求められ、
新型変圧器は従来よりサイズや重量が増える傾向があります。

その影響で、キュービクルの構造設計にも次のような変化が出ています。

  • 変圧器スペースの拡大
  • 筐体(箱体)の大型化
  • 放熱設計の強化
  • 基礎や搬入設計の変更

つまり2026年以降は、キュービクルの内部構造そのものが新基準に合わせて設計変更されるケースが増えています。


2026年ニュース②

キュービクル不足で設備設計の標準化が進む

2026年現在、国内ではトランスやキュービクルの供給不足が問題になっています。

背景には次の要因があります。

  • データセンター建設ラッシュ
  • EV充電インフラの整備
  • 蓄電池設備の増加

これらにより受変電設備の需要が急増し、キュービクルの納期が長期化するケースも発生しています。

そのためメーカーでは

  • 構造のモジュール化
  • 標準設計の拡大
  • 工場組立比率の増加

など、生産効率を高める構造設計が進められています。


2026年ニュース③

キュービクル内部構造の高度化

キュービクルは単なる箱ではなく、複数の電気機器を一体化した受変電設備です。

主な内部構造は以下の機器で構成されています。

  • 高圧受電盤
  • 変圧器(トランス)
  • 遮断器
  • 断路器
  • 避雷器
  • 保護継電器
  • 低圧配電盤

これらの機器が一体化することで、安全に電力を変圧・供給する仕組みになっています。

2026年以降はさらに

  • デジタル保護装置
  • 遠隔監視システム
  • IoT監視センサー

などが追加され、スマート化したキュービクル構造が増えています。


2026年ニュース④

安全性を高めた構造設計

近年は事故防止の観点から、キュービクル構造の安全性も強化されています。

主なポイントは以下です。

① アーク事故対策

内部短絡によるアーク事故を防ぐため、

  • 耐アーク構造
  • 排圧構造
  • 隔壁構造

などが採用されています。


② メンテナンス性の向上

保守点検をしやすくするため

  • 引き出し式遮断器
  • 前面点検構造
  • モジュール化設計

が増えています。


③ 防災設計

災害対策として

  • 防水構造
  • 耐震固定
  • 耐風設計

なども重要な要素になっています。


キュービクル構造の基本(2026年時点)

現在のキュービクルは、以下の構造で構成されています。

① 外箱(筐体)

  • 鋼板製
  • 防水・防錆構造
  • 屋外設置対応

② 高圧受電設備

電力会社からの6,600Vの高圧電力を受電します。


③ 変圧器(トランス)

高圧電力を

  • 200V
  • 100V

などの低圧電力に変換します。


④ 低圧配電設備

建物内の

  • 照明
  • 空調
  • 機械設備

などへ電力を供給します。


今後のキュービクル構造のトレンド

2026年以降、キュービクル構造には次のトレンドが予想されています。

① 高効率変圧器対応構造

省エネ基準対応の大型変圧器に対応。


② スマートキュービクル

IoT監視・遠隔管理設備を搭載。


③ モジュール構造

工場組立率を高めたプレハブ型キュービクル


④ 再エネ対応構造

太陽光・蓄電池設備と接続しやすい設計。


まとめ

2026年の電気設備業界では、キュービクル構造にも大きな変化が起きています。

主なポイントは次の通りです。

  • トップランナー変圧器に対応した構造変更
  • キュービクル不足による標準化設計
  • IoT・遠隔監視によるスマート化
  • 安全性を高めた耐アーク・防災構造

今後は単なる受変電設備ではなく、省エネ・デジタル化・安全性を兼ね備えた次世代キュービクル構造が主流になっていくと考えられています。

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監修者
当サイトは、書籍を出版している当社代表 山内純が監修しています。
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また、掲載情報は最新の法令・メーカー資料・実務事例をもとに作成しています。