キュービクルは建物・施設全体の電力供給を行う重要な役割を持っています。一定規模以上の電力を使用する事業では、必要不可欠な設備といえるでしょう。
しかし、新品キュービクルの導入には数百万~数千万円という多大なコストがかかります。そこで注目したいのが中古キュービクルの活用です。適切に選定すれば、大幅なコスト削減が可能となります。
一方で、中古キュービクルの購入には慎重な評価と専門的な知識が求められます。安易な購入は、長期的な運用リスクを招く可能性があるため、事前に十分な調査と理解が不可欠です。
この記事では、中古キュービクルの価格相場や購入時の注意点について説明します。
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中古キュービクルの価格に影響を与える要因
キュービクルの実用的な耐用年数は15~20年です。使用状況やメンテナンスによっては劣化が遅くより長期間使用できる場合もあります。
短期間で不要となったキュービクルは、まだまだ使用できるケースが多くあり、そのようなキュービクルが中古品として取引されているのです。
中古キュービクルの価格は、以下の要因によって大きく変動します。
- 製造年・使用期間
- 品質・劣化状態
- 電気容量・仕様
- メーカー
経過年数は中古キュービクルの価格を決める最大のポイントです。使用期間が不明な場合は製造年で判断されることになります。新しいキュービクルほど劣化が少ないと判断され高価となる傾向があります。
また、内部部品の劣化具合や外観の保持状態も重要なポイントです。使用期間が短くても内部の機器が故障していたり、錆や腐食が見られたりと、明らかに劣化しているキュービクルは価値が低くなります。ただし、一部の機器だけであれば、交換をして再生品として販売されるケースもあります。
もちろん、中古のキュービクルであっても電気容量が大きい、耐候性の仕様となっているなど、新品の際に高額になるハイスペックなものほど高価です。また、大手のメーカー品ほど高値が付きやすい傾向もあります。
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中古キュービクルの価格相場
中古キュービクルの価格相場は、新品のキュービクルの2/3~1/3と言われています。もちろん実際に取引されるキュービクルの品質・劣化状況によって価格は大きく異なりますが、おおよそ以下の金額が中古キュービクルの相場価格と言えるでしょう。
最大電気容量 | 新品の相場価格 | 中古品の相場価格 |
100kW | 200万円 | 70~140万円 |
300kW | 600万円 | 200~400万円 |
500kW | 1,000万円 | 300~600万円 |
これは、屋内仕様の標準品の例のため、同じ電気容量でも屋外仕様や付加機能を持ったキュービクルではさらに高額になります。
相場価格に倍程度の価格幅があるのは、使用期間や劣化状況によって価格が大きく変動するためです。使用期間が特に短く品質的にも優れている場合は、中古品でもこの相場価格以上になることもあります。一方で劣化の激しいものであればより安く購入することもできるでしょう。
使用期間が長かったり、劣化が激しかったりと品質の悪い中古キュービクルは、その分安価に購入できるものの、設置後に使用できる期間が短くなったり、メンテナンスにかかる費用が高額になったりと、デメリットもあるため、価格と品質のバランスを考慮して選定することが重要です。
中古キュービクル購入の注意点
キュービクルは高額な電気設備であるため、半額になれば数百万円もの大きなコストダウンとなる可能性もあるのです。しかし、その分、設置後の耐用年数は新品のキュービクルよりも短くなります。
中古キュービクルを有効に活用するためには、劣化状況を見極め、十分に元が取れるキュービクルかどうか判断する知識と技術力が求められます。
ここで、中古キュービクルを購入する際に注意するポイントを説明します。
キュービクルの電気容量・仕様の確認
まず初めに、購入しようとしているキュービクルが求めている電気容量・仕様のものでなければ意味がありません。新品のキュービクル同様、購入前に必要な電気容量や仕様を確認しておきましょう。
- 使用する電気の種類(電灯・動力など)
- 必要な電気容量(電灯電力〇kVA、動力電力〇kVAなど)
- 使用するエリア(周波数)
- 設置場所に合わせた仕様(屋内・屋外など)
- 必要な保護機能
- その他、必要と思われる機能
求めるキュービクルによっては、中古市場にすべての条件を満たしたものがない場合もあります。その場合でも一部の機器の交換や本体の改造によって対応できる可能性もあるため、あきらめずに検討してみましょう。
劣化状況の確認
求めている電気容量・仕様のキュービクルが見つかったら、劣化状況の確認を行い、購入する価値があるか判断します。
判断のポイントは主に3つに分けられます。
- 目視・触診による外観等の確認
- 専門的な測定機器による性能確認
- 過去の点検記録等の確認
まずは、目視による外観や内部機器の劣化状況の確認を行います。錆や腐食はないか、明らかに故障している機器はない、がたつきやゆがみがないかといった点をチェックします。
また、目に見えない劣化の確認も重要です。絶縁測定機を使用し絶縁性能が低下していないか確認するなど、専門的な測定機器による性能確認を実施します。
以前使用されていた時の点検記録の確認も有効です。キュービクルは法令で定期点検が義務付けられており、きちんと管理されていれば点検記録が存在します。中古で販売される際に点検記録が引き継がれないケースもありますが、残っていれば確認した方がよいでしょう。
これらの劣化状況の確認は、専門家でなければ難しいため、設置を依頼する工事業者や信用できる仲介業者に確認を依頼すると安心です。
PCBの含有状況の確認
キュービクル内に設置されている変圧器やコンデンサなどの電気機器にはPCBと呼ばれる有害な油が含有している場合があります。現在ではPCBは製造や使用が禁止されているだけでなく、販売や譲渡にも厳しい規制があります。
きちんとした業者であれば、中古キュービクルの取引にあたって、PCBが含有していない確認をしているはずです。
仮にPCBが含有しているキュービクルを購入してしまうと、法令違反ともなりかねません。また、購入したキュービクルは使用できないだけでなく、処分にも高額な費用が必要となります。
このため、PCBの含有状況は必ず確認するようにしましょう。
信頼できる販売元を選ぶ
中古キュービクルの品質・劣化状況を見抜き、価格相場に対し適正な価格で取引を行うことは、一般のユーザーにとっては大変困難です。そのため、信頼できる販売業者・仲介業者を見極めることが重要となります。
新品のキュービクルを設置する工事であれば、複数の業者から見積もりを取得するなどの方法で適正価格を確認することも可能です。しかし、中古となれば同じ条件のキュービクルは一つとしてありません。
そのため、業者の説明する価格の根拠や品質保証が信頼できるかどうかが、成功のカギとなるのです。これまでの取引実績や業界内の評判、保証の有無などをできる限りしっかりと確認しておきましょう。
中古キュービクルの他の方法の比較
中古キュービクルを購入する目的は、主にキュービクルの導入や交換の費用を抑えることでしょう。しかし、中古キュービクルには様々なデメリットもあり、一概にコストダウンになるとは限りません。ここで、新品やリースのキュービクルと比べたメリット・デメリットを紹介します。中古キュービクルが最適かどうか判断する参考にしてください。
新品キュービクルとの比較
中古キュービクルは、価格相場が新品キュービクルの1/2〜1/3と安価です。適切なメンテナンスが行われた状態の良い中古キュービクルであれば、新品と遜色ない性能を発揮してくれるでしょう。
しかし、設置時は新品同様の性能であっても、耐用年数はどうしても短くなるものです。キュービクルの耐用年数は一般的に15~20年と言われており、いずれは交換が必要になります。
中古キュービクルでは、標準的な耐用年数から以前の使用期間を差し引いて考える必要があります。そのため、最低でも新品に対し、金額と見合う程度の年数は使用できなければ、コストダウンになりません。
さらに、中古キュービクルの購入で安価になるのは、キュービクル本体の価格のみです。キュービクルの設置や交換には本体の価格の50%~100%程度の工事費がかかります。このため、短期間に中古キュービクルが使用できなくなった場合は、コストダウンどころか大きな損失になるリスクもあります。
リース・レンタルとの比較
中古キュービクルが有効なケースとして、そもそも短期間のみ使用するケースがあります。
例えば、自前のビルを立て直すため、一時的に貸テナントを借りて数か月から数年間営業する予定の施設などであれば、その期間使用できればよいため、中古キュービクルの方が安価でメリットがあるでしょう。
ただし、短期間の使用ではリース・レンタルのキュービクルも存在します。リースであれば、使用中に故障してもリース会社の負担で修理できるなど、保証面でメリットがあるでしょう。
状況により、価格面・保証面でのメリット・デメリットがあるため、どちらが良いか比較して決めることをおすすめします。
中古キュービクル導入のメリット・デメリット!専門知識がなくても分かる選び方のポイント
中古キュービクルの活用は慎重に!
中古キュービクルは、新品と比較し2/3~1/3という安い価格で購入できるため、大幅なコスト削減が実現できる魅力的な選択肢です。しかし、有効に中古キュービクルを活用するには、技術的な詳細を十分に理解し、適切な選定と慎重な評価を行うことが求められます。また、信頼できる販売元から購入することも重要です。
中古キュービクルは、コスト面では魅力的な選択肢ですが、早期の故障や潜在的な不良による事故といったリスクもあるため、新品と比較して十分にメリットがあるか、慎重に検討することをおすすめします。
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