キュービクルの事故を察知する警報!LGRや接点も解説

キュービクルには、異常が発生したときに外部に知らせるための警報が存在します。警報の設置は任意のため、必ず設けられるものではありませんが、事故のリスクを軽減し管理コストの削減になる場合もあるため、広く普及しています。

この記事ではキュービクルの警報について、その種類や目的、利用方法など基本的な情報をまとめました。

キュービクルに警報を設ける目的

キュービクルは需要場全体に電気を送る源であり、高圧電力を扱うため、様々な事故のリスクを抱えています。需要場の停電だけでなく、周辺地域を巻き込む波及事故となったり、火災などの原因となったりと、予想される被害も甚大です。

しかし、キュービクルは通常時は無人であるため、被害の発生前に事故の発生を感知することはできません。そのため、自動的に異常を検知し外部に知らせる警報を設置するのです。

警報を設置することにより、キュービクル内で発生した異常をいち早く検知し、被害が発生する前に処置を行ったり、被害の拡大を防止したりすることが可能になります。

キュービクルに設ける警報の種類と外部出力接点

キュービクルに設ける警報は以下のようなものがあります。

警報の種類内容
停電警報キュービクルが停電した場合に発報する。
電圧異常警報一次・二次電圧が正常な範囲外になった場合に発報する。
過電流警報出力電流が設定値以上になった場合に発報する。
地絡警報絶縁破壊等による地絡電流を検知し発報する。
温度異常警報キュービクル内や変圧器の温度上昇を監視し、設定値以上になった場合に発報する。

これらの異常は、キュービクル内の各種保護装置の動作信号を取得したり、温度計などのセンサーを設置したりすることで監視を行います。

どの警報も事故や事故因子の発生を知らせるものです。これらの異常を監視し、速やかに対応することで事故の被害拡大を防止できます。

また、警報はキュービクル内で感知するだけでは意味がないため、外部出力接点を設けて外部から信号を取得できるようにします。

外部出力接点はそれぞれの警報を個別に出す場合と一括警報としてまとめて出す場合があります。一括警報とすることで、監視する警報信号が1つで済むため監視コストが軽減できますが、一括警報では現地で確認するまで異常の内容がわからないため注意が必要です。

漏電火災警報器(LGR)の設置と管理

漏電火災警報器(LGR)は、屋内電気配線や電気機器からの漏電を検知し、漏電による火災を未然に防ぐ装置です。消防法で規定される警報設備のひとつで、準不燃材料以外の材料で造った鉄網入りの天井・壁・床などから構成される建物に設置します。

キュービクルにはLGRの設置義務はありません。しかし、キュービクルは漏電による火災の危険があることから自主設置が推奨されています。LGRを設置する場合は、他のキュービクルの警報と同じように外部出力接点を設けます。

キュービクルの警報出力先

キュービクル内の異常を検知しても、外部に知らせる機能がなければ意味がありません。そのため、警報には外部出力接点を設け、発報時に外部から確認できるようにします。

ここで、主な警報の出力先について説明します。

警報表示器(ブザー・回転灯等)

最もシンプルな方法としては、キュービクルの側面又は近辺に警報を知らせる表示器を設置することです。ブザーや回転灯等の装置で、キュービクルの周囲にいる人に異常を知らせます。

仕組みが単純でコストも低く周囲に常に関係者がいるような場所であれば有効な方法です。

警報表示盤

警報表示盤は、各設備の警報をまとめて表示するための装置です。建物内の防災センターや管理事務所などに設置されます。

警報表示盤を設置する場合には、キュービクルの警報も表示するようにし、異常が発生した場合には管理者がすぐに気づくようにします。常駐している管理者がいる場合は対応もすぐにできるため確実な方法と言えるでしょう。

広く普及している方法ですが、24時間常駐していない場所では無人の間に発生した異常への対応が遅れるリスクがあります。

遠隔監視装置

遠隔監視装置は電話回線やインターネットを通じて外部の監視センターで常時監視を行うための装置です。警備会社や遠隔監視専門の業者等と委託契約をして行います。また、主任技術者の外部委託など、電気の保守契約でサービスとして提供されるケースもあります。

24時間常駐で管理しない建物でも常時監視ができ、対応の遅れを防止することができる点がメリットです。

しかし、現地に対応できる人がいない場合は、他の場所から作業員が駆けつけるため移動時間などがかかります。また、監視のみを委託している場合は電話などで緊急連絡を受け付けた担当者によって別途現地対応が必要です。

後付けタイプの監視装置

キュービクル本体にもともと警報機能がない場合でも後から設置できる後付けタイプの監視装置もあります。最近では保守契約の標準又はオプションサービスとして提供されるケースが増えています。

後付けタイプの監視装置には様々なタイプがありますが、通信機能を内蔵しておりサービスを提供する業者の監視センターに直接遠隔警報が行われるものが普及しており、比較的簡単な工事で実装できるため便利です。

警報機能を持っていないキュービクルを管理している場合は導入を検討してもよいでしょう。

キュービクルの警報は安全を守る!

キュービクルの異常を知らせる警報は電気の安全・安心な利用にとって重要です。キュービクルを設計するさいには、必要な警報を検討し警報回路を組み込むようにしましょう。

また、警報は出力するだけでは意味がありません。建物の使用目的や状況に合わせて適切な監視方法を検討し、異常の発生に対して速やかに対応できる体制を作ることが求められます。

警報の設置はイニシャル・ランニングコストの増加につながりますが、万が一の事故を予防し、事故発生時の被害拡大を防ぐ効果があります。キュービクルの警報は、安全を守るために必要なものとして、設置を検討するようにしましょう。

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