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キュービクルQ&A
- キュービクルとは何ですか？
- キュービクルとは、簡単にいうと「高圧の電気を安全に使えるようにするための設備」を一つの箱にまとめたものです。
正式には「キュービクル式高圧受電設備」と呼ばれますが、一般的には略して“キュービクル”と呼ばれることが多いでしょう。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。 キュービクルとは？意味や役割・メリットなど、わかりやすく解説します！
- キュービクルの役割を教えてください。
- 発電所から送られてくる高い電圧の電気（6,600ボルト）を、私たちが日常で使う低い電圧（100ボルトや200ボルト）に変換します。
工場やビル、商業施設など電気をたくさん使う場所に設置されている小さな変電所のようなものです。
・高い電圧を受け取る
・安全な低い電圧に変える
・電気を建物内に供給する
詳しくはこちらの記事をご参照ください。 ≫キュービクルはなぜ必要？必要となる電力量や建物の規模を解説！
- キュービクルの構成を教えてください。
- キュービクルは主な構成として受電設備を内部に持っている受電箱と、低圧化し配電を行う用途の内部を持っている配電箱に大きく分けられます。
それらの箱に、変圧器、断路器、保護装置など、電気を制御するための様々な機器が収められています。
中に入っている主な機器
・高圧遮断器：異常時に電気を止める
・変圧器（トランス）：6,600V → 100/200V に変換
・計器類：電圧・電流の監視
・保護リレー：事故検出
これらが一つの箱にまとめられているのが「キュービクル」です。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。≫キュービクルの内部構造を徹底解説！
- キュービクルはどのような場所に設置されていますか？
- 工場やオフィスビル、スーパー、病院など、多くの施設で使用されています。
・ビル、マンション
・工場、倉庫
・病院、介護施設
・学校、商業施設
一定以上の電気を使う建物では、ほぼ必ず設置されています。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。≫キュービクルの設置は義務？設置基準や必要性を解説
- キュービクルにするメリットは何ですか？
- キュービクルは、開放型受変電設備と比べて以下のメリットがあります。
・工場製のため品質が安定している
・現地での工事期間は比較的短くなる
・専用の電気室などを設ける必要がない
・比較的省スペースで設置できる
・周辺環境の影響を受けにくく、屋外にも設置しやすい
・高圧電力の充電部が露出していないため安全性が高い
詳しくはこちらの記事をご参照ください。≫高圧受電って何？高圧受電契約の基礎知識とキュービクル設置のメリット
- キュービクルの設置費用はいくらくらいですか？
- キュービクル（高圧受電設備）の設置費用は、設備の容量や設置条件によって大きく異なりますが、一般的な目安としては数百万円規模になります。
小規模（100kW前後）であれば、本体と工事を含めて200万〜300万円程度、中規模（200〜300kW）では400万〜700万円程度が多く見られます。さらに大容量になると1,000万円以上かかるケースもあります。
費用にはキュービクル本体のほか、基礎工事、据付工事、高圧ケーブル工事、電力会社への申請費用などが含まれ、設置場所や搬入条件によっても変動します。
正確な金額を知るには、現地調査を行ったうえで複数業者から見積もりを取ることが重要です。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。≫キュービクル設置工事の相場は？本体価格と設置工事費の目安を知ろう！
- キュービクルの大手メーカーはどこですか？
- 明工産業株式会社、株式会社因幡電機製作所、日東工業株式会社、日本電機産業株式会社、河村電器産業株式会社、宇賀神電機株式会社
パナソニック（旧松下電器産業）などがあります。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。≫キュービクルの代表的な大手メーカー21社の一覧
- キュービクルの耐用年数・寿命はどれくらいですか？
- キュービクル（高圧受電設備）の耐用年数は一般的に15〜20年程度とされています。これは税務上の法定耐用年数が15年と定められていることに基づく目安です。
ただし、実際の寿命は使用環境や保守状況によって異なり、定期点検や部品交換を適切に行えば20〜30年使用されるケースもあります。
一方で、内部の遮断器・変圧器・計器類などは経年劣化しやすく、15年を超えると故障リスクや保守費用が増加します。老朽化したまま使用を続けると、停電や事故につながる可能性もあるため、更新やリニューアルの検討時期は15〜20年が一つの目安と考えるのが一般的です。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。≫キュービクルの法定耐用年数と実際の更新時期を解説
- キュービクルの点検や保守は法律で決まっていますか？
- はい、キュービクル（高圧受電設備）の点検・保守は法律で義務付けられています。
主に根拠となるのは電気事業法で、事業用電気工作物に該当するキュービクルは、安全に維持・管理する責任が設置者（需要家）にあります。
具体的には、
・保安規程の作成・届出
・電気主任技術者の選任（または外部委託）
・定期的な点検・測定・記録の実施
が必要です。
点検には、日常点検・月次点検・年次点検などがあり、年次点検では停電を伴う精密点検が行われるのが一般的です。
これらを怠ると、感電・火災・停電事故の原因になるだけでなく、行政指導や罰則の対象となる可能性もあります。そのため、多くの事業所では専門業者に保守管理を委託し、法令遵守と安全確保を両立させています。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。≫キュービクルの保守点検費用はどのくらい？法定点検の必要性・点検内容とあわせて解説します
- キュービクルが原因で起こるトラブルには何がありますか？
- キュービクルが原因で起こるトラブルには、停電・火災・設備故障など、事業に大きな影響を与えるものがあります。
多いのは、部品の劣化や絶縁不良による突発的な停電です。電気が止まることで、工場の生産停止や店舗の営業中断など、直接的な損失につながります。
また、接点のゆるみやホコリの蓄積、湿気の侵入などにより異常発熱や短絡が起こり、火災に発展するケースもあります。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。≫キュービクルの故障時の対処法｜現場で慌てないための知識
- キュービクルの正式名称を教えてください。
- キュービクルというのは略称で、JIS C4620:2018に規定されている「キュービクル式高圧受電設備」が正式名称です。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。≫JISの規定によるキュービクル式高圧受電設備とは
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執筆者
木谷 健一
【保有資格】
第三種電気主任技術者、1級電気工事施工管理技士、第一種電気工事士など
【経歴】
電気工事会社で約6年間勤務し、その後、マンションや商業施設の建設・管理を行う会社で電気設備の技術者として10年以上勤務。電気設備の設計・工事監理から保守まで幅広く経験しています。
プロフィール詳細はこちら▽
高橋 航
【保有資格】
第二種・第一種電気工事士、電験三種、エネルギー管理士（電気分野）
【経歴】
大手電力グループ会社勤務経験を持つ電気の専門ライター。資格取得・現場経験で培った電気の専門知識をもとに、電気・技術系資格・電力・エネルギージャンルなど幅広く執筆担当を務めています。
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参考文献
運営会社：キュービクルソリューションズ株式会社