キュービクルは、工場やオフィスビル、商業施設などで電力会社から供給される高圧電力を、使用可能な低圧電力に変換する重要な設備です。しかし、その導入や更新を検討する際、具体的な価格がわからず、予算立案などに困ることもあるでしょう。
この記事では、キュービクルの価格構成から容量別の相場、仕様による価格差まで、詳しく解説していきます。
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キュービクルの価格に影響する要因
キュービクルの価格を決定する要因は多岐にわたります。なかでも主要な影響要因を詳しく見ていきましょう。
最大電気容量
キュービクルの価格を決める最も基本的な要因は最大電気容量です。必要な電力容量が大きくなるほど、それに対応した大型の変圧器が必要となり、価格は上昇します。このため、キュービクルの価格は概ね最大電気容量と比例関係にあります。
また、容量の増加に伴って配電盤の数も増え、電線やケーブルも太くなり、さらに、大容量になるほど保護装置や監視装置も高機能なものが必要となるなど、総合的な価格上昇につながります。
キュービクルの電気容量が不足すると、必要な電気設備が稼働できなくなるため、必要な容量を確保することは重要です。一方で必要な電気容量を大きく超えてしまうと、ランニングコスト・イニシャルコスト共に無駄なコストがかかってしまうため、実際の運用に合わせた適切な容量で設計することが求められます。
設置環境に合わせた仕様
キュービクルを設置する環境も重要な価格決定要因です。屋内設置の場合は標準仕様で対応可能ですが、屋外設置の場合は防水処理や耐候性能が必要となり、それに応じて価格が上昇します。
さらに、塩害地域や寒冷地、粉塵の多い環境など、特殊な環境では専用の対策が必要です。例えば、塩害対策としてキュービクル本体をステンレス製する、換気口から粉塵が入らないように防塵仕様にするといった対策があります。
また、地震に備えて耐震性の構造にしたり、落雷の多い地域では雷保護の機能を追加したりすることもあります。
このように、キュービクルは設置環境に合わせた仕様にする必要があるため、設置環境により大きく価格が変動するのです。
内蔵する機器の仕様
キュービクル内には、遮断機・継電器・変圧器・各種計器類といった様々な機器が納められています。これらの機器にも種類やグレードの違いがあり、選定する機器によって価格が異なります。
特に変圧器の種類による価格差は顕著です。標準的な油入式変圧器と比較して、モールド式変圧器は20〜30%程度高価になります。ただし、モールド式は油入式に比べてサイズが小さく軽量で施工性に優れています。また、保守管理が容易で信頼性も高いため、長期的な運用コストを考えると必ずしも不利とは言えません。
キュービクルの価格を最適化するには、使用条件に合わせて、イニシャルコストとランニングコストのバランスを考慮し機器を選定することが求められます。
特殊仕様や付加機能
キュービクルには、防災使用などの特殊仕様や受電・変電・配電といった基本的な機能の他に付加的な機能を持たせることができます。
例えば、キュービクルを消防認定品することで、消防法で定められた消防設備のための非常電源とすることができ、非常用発電機などの設備が免除される場合があります。これにより大幅なコスト削減ができるため、広く採用されている方式です。
また、太陽光発電設備と連携したり、デマンド機能で施設全体のエネルギー効率化を図ったりと、様々な付加機能があります。
メーカー選定による価格差
メーカーの選定もキュービクルの価格に影響します。大手メーカーの製品は、中小メーカーと比較して価格が高くなる傾向にありますが、製品の信頼性や保守サービスの充実度を考慮すると、必ずしも割高とは言えない場合もあります。
最大容量別のキュービクル相場価格表
キュービクルの価格は、主に受電容量によって大きく変動します。ここでは、一般的な受電容量別の価格帯を見ていきましょう。
最大電気容量 | 相場価格 |
100kW | 200万円 |
300kW | 600万円 |
500kW | 1,000万円 |
50kW~100kW規模の小規模タイプでは、本体価格が200万円程度となります。この規模は小規模オフィスや小型商業施設での導入に適しており、比較的シンプルな構成となるため、価格のばらつきは小さめです。
300kW規模の中規模タイプになると、本体価格は600万円程度に上昇します。この規模では、二次側の配電盤が複数必要となるケースが多く、それに応じて価格も上昇する傾向です。
500kW以上の大規模タイプでは、本体価格が1,000万円を超えることも珍しくありません。工場や大型商業施設など、大量の電力を使用する施設での導入を想定した規模となります。
さらに大きなキュービクルでは、使用する電力の組合せ、力率改善や二次側配線など変動要因が増えてきます。概算金額を知りたい場合は、100kWあたり200万円をかけたうえで、10~20%の余裕率を見ておくと安心でしょう。
ただし、ここで紹介した最大容量別のキュービクル相場価格はあくまで最も標準的な付加機能のないキュービクルです。ここから、仕様を変更したり、付加機能を追加したりすることで、価格は上昇していくので注意してください。
キュービクルの仕様・設置環境による価格の上昇
「キュービクルの価格に影響する要因」でも紹介したとおり、キュービクルの価格は、設置環境や採用する機器の仕様によって変動します。それぞれの価格への影響を紹介しましょう。
設置環境による価格の上昇
キュービクルの設置環境は、キュービクル価格に大きな影響を与える要因です。
まず、屋外設置の場合は耐候性や防水性能が必要となり、屋内設置よりも高額になります。屋外設置の場合は、屋内設置に対して20%から30%程度の価格上昇が一般的です。
さらに、塩害地域での設置となると、耐塩害仕様が必要となり、溶融亜鉛メッキ仕上げやステンレス製外箱の採用により、標準価格の1.5倍程度まで上昇することもあります。
また、寒冷地への設置では、凍結対策や積雪対策が必要となり、これも価格上昇の要因です。粉塵の多い環境では防塵仕様が必要となり、標準価格から20%程度の上昇が見込まれます。
採用機器による価格の上昇
キュービクル内には様々な機器が設置されます。採用する機器の仕様はキュービクル価格に大きく影響します。
特に、変圧器の種類選定は大きな価格決定要因です。一般的な油入式変圧器を基準とした場合、モールド式変圧器を採用すると20%から30%程度価格が上昇します。ただし、モールド式は施工性に優れ、保守管理が容易で信頼性も高いため、長期的な維持管理コストを考慮すると、必ずしも割高とは言えません。
遮断器の選定も価格に大きく影響します。標準的な気中遮断器に対して、真空遮断器は1.2倍程度、SF6ガス遮断器では1.5倍程度の価格となります。ただし、これらの高機能な遮断器は信頼性や保守性に優れているため、用途に応じた適切な選定が重要です。
保護継電器についても、アナログ式からデジタル式、さらには多機能デジタル式まで、価格差は大きくなります。最新の多機能デジタル式保護継電器は、標準的なアナログ式の2倍以上の価格となることもありますが、高精度な保護機能や豊富な計測機能を備えているため、重要度の高い設備では採用を検討する価値があります。
採用する機器は、高性能・高信頼性のものほど高額な傾向にあるため、一概に安価なものを使用すればよいわけではなく、使用環境に合わせた適切な選定が求められます。必要な機能を満たし、過剰にならない機器選定には専門的な知見が必要です。
専門業者やメーカーに相談し、メリット・デメリットをよく確認したうえで採用する機器を選ぶようにしましょう。
設置工事の費用
キュービクルの導入には、本体価格に加えて工事費用が必要となります。工事費用は、キュービクル本体価格の50%~100%が相場です。
ただし、設置工事は設置場所の環境や搬入ルート、建物の条件などにより、キュービクル本体以上に価格が大きく変動します。そのため、事前調査を実施し見積もりを行わない限り概算金額であっても確かなことは言えません。
キュービクルの設置・交換などを行う場合は、早めに業者に依頼し、概算金額を把握しておくと安心でしょう。
キュービクルの設置・交換前に知っておきたい!本体価格・設置費用から納期まで
キュービクルの価格を抑えるポイント
キュービクルは非常に高額な設備です。少しでも価格を抑えるために確認しておきたいポイントを紹介します。
適切な電気容量の設定
適切な価格でキュービクルを導入するには、容量選定が最も重要です。過大な容量設定は、イニシャルコストの増加だけでなく、運用効率の低下によるランニングコストの増加にもつながります。
電気容量を設定する場合には、実際の使用電力量をしっかりと分析し、将来の拡張性も考慮しつつ、適切な容量を選定することが重要です。
キュービクル容量の決め方とは?調べ方から選定のポイントまで解説
採用する機器使用の最適化
キュービクルに採用する機器の仕様を最適化することで、無駄なコストの削減を図ることができます。
必要以上に高機能な機器の採用は避け、用途に応じた適切な仕様を選定することで、コストの適正化が図れます。
一方で、キュービクルの故障による停電や事故は、事業の継続にも影響する大きなリスクにもなりかねません。必要な機能とのバランスを考えて機器を選定することが求められます。
特に、変圧器や遮断器の種類選定は、価格に大きな影響を与えるため、慎重な検討が必要です。
計画的な発注
キュービクルは多くの場合受注生産です。工場での制作には半年程度の期間がかかります。納期を短縮するためには、通常よりも高い価格となる可能性が高いでしょう。
また、時間に余裕がないと複数メーカーに見積もりを取って比較したり、価格交渉をしたりすることもできません。
そのため、キュービクルの価格を抑えるためには、できるだけ計画的に余裕を持った発注を行うことが大切です。
キュービクルの価格表まとめ
キュービクルの価格は、受電容量や仕様、設置環境などによって大きく変動します。適切な設備を適正な価格で導入するためには、必要な容量と機能の見極め、設置環境に応じた適切な仕様選定、工事計画の最適化など、多角的な検討が必要です。適切な容量選定と仕様選定により、長期的な視点での最適なコスト計画を立てることが可能となります。
また、キュービクルの価格は、メーカーによっても大きく変動します。複数見積もりを取得し、仕様や価格を比較検討することによって、適切な価格帯を把握することができるでしょう。特定の業者が決まっていない場合は、一括見積サービスの活用もおすすめです。
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株式会社キュービクルパートナーズ | 株式会社MEC |
合同会社SODEN | 有限会社宮富士 |
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