キュービクル設置工事の見積もりを取るコツ!見積書のチェックポイントから業者選びまで

キュービクルの設置は、建物全体に電気を供給する大規模な電気設備であり、設置にかかる費用も高額になります。さらに、建物の規模や設置条件によって必要なキュービクルの仕様や設置工事の内容が大きく変わるため、必要な費用もその時々で異なります。

そのため、設置工事を依頼する前に見積もりを取得して、工事内容や価格が適切か確認することが重要です。

この記事では、キュービクル設置工事の見積もりを取る際のコツや、業者選定のポイントについて詳しく解説します。

キュービクル見積書の内訳とチェックポイント

キュービクルの見積もりを正しく理解し、適切に比較するためには、見積書にどんな項目が含まれるかを知る必要があります。

キュービクル設置工事の内訳は、主に以下のキュービクル本体と設置工事から構成されています。また、それ以外にも付帯的な項目が記載されています。

ここで、それぞれの項目ごとにチェックポイントを紹介しますので参考にしてください。

なお、キュービクル本体の仕様は、様々なポイントがあるため、正確に必要な仕様を把握するには専門的な知識が必要です。内容を見ても理解できない項目もあるでしょう。その場合も各仕様を選定した理由を業者に質問し、きちんとした検討をしているか、適切な説明があるかを確認すれば優良な業者を選択するヒントになります。

キュービクル本体の仕様

キュービクル本体は工事全体のコストの中で大きな割合を占めます。以下の点に注意してチェックしましょう。

  1. 受電容量: 建物の電力需要に適した容量であるか確認します。将来の拡張性も考慮に入れましょう。
  2. 変圧器の種類: モールド変圧器や油入変圧器など、種類によって価格や特性が異なります。用途に適したものが選択されているか確認します。
  3. 保護装置: 過電流保護、地絡保護などの安全装置が適切に含まれているか確認します。
  4. 付加機能:受変電以外に必要な付加機能が付いているかを確認します。
  5. 外箱の仕様: 屋内設置型、屋外設置型など、設置環境に適した仕様が選択されているか確認します。

それぞれの仕様は、建物の規模や使用する電気設備、設置場所の条件、周囲の環境などにより決定します。

事前に作成した設計図がある場合や、既存のキュービクルの交換などでは、定められた仕様と一致するか確認します。仕様の検討まで含めて依頼している場合は、各仕様を決定した理由を確認し、業者の認識に間違いがないか確認するとよいでしょう。

設置工事の内容

キュービクルの設置工事には様々な作業が含まれます。以下の項目が適切に計上されているか確認しましょう。

  1. 基礎工事: キュービクルを設置するための基礎を設置する工事です。
  2. 配線工事: 高圧引込線から低圧配線まで配線を行い、キュービクルと接続する工事です。
  3. 搬入作業: キュービクル本体の搬入と据付作業の内容と費用を確認します。
  4. 据付工事: キュービクル本体の搬入と据付作業の内容と費用を確認します。
  5. 試験・調整: 絶縁抵抗試験や動作試験など、必要な試験と調整作業が含まれているか確認します。
  6. 仮設工事: 足場の設置など、必要な仮設工事が含まれているか確認します。

それぞれの工事の内容は、設置場所や周囲の環境により異なります

基礎がない場所に新たにキュービクルを設置する場合は基礎工事が必要ですが、すでに基礎が設置されている場所であれば不要です。

搬入作業や据付工事は、現場の状況、搬入経路や据付場所が屋内・屋内のどちらかなど、様々な状況により内容が異なります。実際の作業内容を考慮しているか確認しましょう。

その他、試験・調整や仮設工事など、設置工事の開始から完了までに必要な項目が網羅されているかも重要なポイントです。必要に応じて工程や施工手順を確認し、見積もりの内容と一致しているか確認するとよいでしょう。

その他の項目

キュービクルの設置はキュービクル本体と設置工事以外にも関連する付随的な費用が発生します。代表的な項目を紹介しますので、これらの費用が適切に計上されているか確認しましょう。

  1. 諸経費: キュービクルの発注や設置工事の管理を行うための現場管理費や企業の運営費用などの一般管理費といった諸経費を確認します。
  2. 設計費: 設計に関する費用が含まれている場合、その内容を確認します。
  3. 運搬費: 大型機器であるキュービクルの運搬費用を確認します。
  4. 申請費用: 電力会社への申請費用や行政への届出費用が含まれているか確認します。
  5. 廃棄物処理費: 工事で発生する廃棄物の処理費用が適切に計上されているか確認します。

これらの項目が含まれていない場合は、見積もり金額以外に別途請求される可能性があるのか確認しておくとよいでしょう。

なお、このような付随的な費用の記載方法は業者ごとで異なり、複数の項目をまとめて諸経費として記載される場合や逆に諸経費は計上せず各項目に利益を乗せている場合や、工事が受注できれば設計費は無償といった場合もあるでしょう。

見積書を受け取る際に、業者に見積書に含まれている範囲や別途費用のかかる項目について確認するようにしましょう。

複数の見積もりを比較する重要性

キュービクル設置工事の適正価格を把握し、最適な業者を選定するためには、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。複数の見積もりを比較することで、工事の適正価格や一般的な工事内容を把握することができます。

なお、見積書は単に金額だけを比較するのではなく、内訳の項目の有無や各項目の内容に注意して比較することが大切です。

見積書は総額だけで比較しない

総額が安いからといって、必ずしもそれが最良の選択とは限りません。以下の点に注意しましょう。

  1. 内訳の透明性: 見積書の内訳が明確で、各項目の費用が適切に分けられているか確認します。
  2. 隠れたコスト: 見積書に含まれていない追加費用が発生する可能性はないか確認します。
  3. 品質と価格のバランス: 単に安いだけでなく、使用される機器の品質や工事の質を考慮します。
  4. 長期的なコスト: イニシャルコストだけでなく、ランニングコストや将来の維持管理費用も考慮します。

他の業者に比べてあまりに安価な見積もりの場合は、キュービクルの仕様が間違っていたり、必要な工事項目が抜けていたりといった問題があるかもしれません。また、金額を抑えるために手抜き工事を行っている可能性もあります。

見積書の比較は金額も重要ですが、それ以外の内容もしっかりと確認することが重要です。

各項目の内容を比較する

キュービクルの仕様や設置工事の内容を精査するには、専門的な知識が必要です。しかし、複数の業者から取得した見積もりを比較することで、それぞれの業者で使用や工事内容に違いがないか確認することができ、項目の漏れなどに気づくことができます。

以下の点を中心に、キュービクルの仕様や工事内容をチェックしてみましょう。

  1. キュービクルの仕様: 受電容量など、キュービクルの仕様が正しいか確認します。
  2. 工事範囲: 各業者が提案している工事の範囲に差異はないか確認します。
  3. 使用材料: キュービクル本体以外にも、配線材料などの材料を使用します。使用材料の内訳や品質・仕様を比較します。
  4. 工事方法: 提案されている工事方法に違いはないか、それぞれの長所短所を検討します。
  5. 工期: 提示されている工期に大きな差異がある場合、その理由を確認します。

各項目を比較し、キュービクルの仕様や工事内容が大きく違う業者がいる場合は要注意です。見積もりの前提条件に間違いがないかしっかりと確認しましょう。

このように、専門的な知識がなくても、内容の間違いに気づくきっかけができる点も、複数の見積もりを取る大きなメリットです。

キュービクルの見積もりを比較して、見積書の項目や内容が一致している場合は、各項目の金額を比較します。同じ項目で金額に大きな差異がある場合は要注意です。一見一致していると思っても内容が間違っている可能性もあるため、金額の根拠を確認しておきましょう。

業者選定のポイント

キュービクル設置工事の見積もりを複数の業者から取った場合、最終的にどの業者に依頼するかを決めなければなりません。

適切な業者を選定することは、キュービクル設置工事の成功に大きく影響します。見積もり金額も重要なポイントですが、結果としてトラブルになることがないよう、信頼できる業者を見定める必要があります。

以下の業者選定のポイントを紹介しますので参考にしてください。

業者の資格と実績を確認

キュービクルの設置工事を行うには、電気工事業の登録をはじめとした法的な資格が必要です。まずはこれらの必要な資格を持っているか確認しましょう。

また、過去の工事実績、特にキュービクルの設置工事に関する実績があるかを確認します。過去の実績を確認することで、業者が工事に必要な技術力を持っているかどうかを見極めるヒントとなります。

最近では多くの工事業者がホームページを持っており、保有する資格や工事実績を公開しています。また、企業パンフレットなどを作成していることもあるため、これらの情報が確認できる場合は積極的に確認しておきましょう。

アフターサービスの内容を確認

キュービクルは、価格も高価であり、一度設置すると15~20年は使用する電気機器です。そのため、設置して終わりではなく、アフターサービスもしっかりしている業者に依頼することが重要です。

アフターサービスというと、まず思い浮かぶのは初期不良や施工後短期間で発生した不具合への対応でしょう。保証期間と保証される対象などをしっかりと確認することが重要です。口約束ではなく、契約書や保証書でしっかりと残しましょう。

また、キュービクルは重要なインフラ設備であるため、不具合が発生した場合は速やかに対応する必要があります。保証期間内のトラブルに対し、どのような体制で対応してくれるのか確認しておくことも必要です。

さらに、将来に向けて、長期の修繕やキュービクル本体の取替なども視野に入れて話ができる業者であれば、より安心して工事を任せられるでしょう。

現地調査と工事内容の説明を確認

キュービクルの設置工事は、現地の状況により施工内容が大きく変わります。そのため適正な見積もりを行うためには、事前の現地調査が必要です。また、現地調査は、原則立ち合いで実施するため、調査の丁寧さや調査時の対応を見ることで信頼できる業者が見極めるヒントになるでしょう。

現地調査時や見積もりを受け取る時に、工事内容の説明があるかも重要なポイントです。優良な業者であれば、見積もりに合わせて工事の流れや作業内容についてきちんと説明してくれるはずです。

工事の実施について、良いところだけでなく、悪いところやリスクもきちんと説明し、必要に応じて代替案やトラブル発生時の対応についても説明してくれる業者であれば、より安心して工事を任せられるでしょう。

キュービクル設置工事は複数見積もりを取ろう!

キュービル設置工事は、建物の電力供給を長期にわたって支える重要な工事です。適切な見積もりを取り、信頼できる業者を選定することが、工事の成功と長期的な安全性・効率性の確保につながります。

また、見積もりを取る場合は、複数の業者の見積もりを比較することで、適正価格や一般的な工事内容を知ることができ、より適切な発注ができるようになるでしょう。

一括見積サービスを利用することで簡単に複数の見積もりを取得することができます。特定の業者が決まっていない場合はぜひ一括見積を検討してください。

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