キュービクルの購入を検討している方必見!必要性・選び方・導入までの流れをわかりやすく解説

新たな工場や店舗の開設、既存施設の設備更新など、大電力を使用する施設で高圧電力を安定的に使用するためにはキュービクルが不可欠です。

しかし、初めてキュービクルの導入を検討する経営者や担当者の方からは「そもそも購入すべきなのか」「何を基準に選べばいいのか」「費用はどれくらいかかるのか」といった不安の声をよく耳にします。専門的な知識がなければ、どこから手をつけていいのか分からないのも当然です。

本記事では、キュービクル購入の必要性から導入までの流れ、業者を選ぶポイントや注意点まで、初心者の方でも理解できるようにわかりやすく解説します。

キュービクルの購入が必要になるケース

キュービクルとは、電力会社から供給される高圧電力(通常6,600ボルト)を、工場やビル、商業施設などで使用できる低圧電力(100ボルトや200ボルト)に変換するための設備です。変圧器やブレーカー、配電盤などの機器を金属製の箱に収めた、いわば「電気の制御室」のようなものと考えていただくとわかりやすいでしょう。

一定規模以上(通常50kW以上)の電力を使用する施設では、このキュービクルの設置が必須となります。

キュービクルの購入が必要になる主なケースとしては、まず新しい工場や店舗、オフィスビルなどを開設する際が挙げられます。高圧受電が必要な規模の施設を新設する場合、キュービクルの導入は避けて通れません。

次に、既に稼働している施設で既存キュービクルが老朽化し、更新時期を迎えた場合です。キュービクルの耐用年数は一般的に15~25年程度とされており、安全性や性能維持のために定期的な更新が必要になります。

さらに、事業拡大に伴って電力使用量が増加すると、低圧受電から高圧受電への切り替えが必要となり、キュービクルを購入しなければならないケースが出てきます。また、既存設備では容量が不足する場合は、より大容量のキュービクルへの入れ替えや増設が必要となります。

キュービクル購入の流れ

キュービクルを購入する場合の一般的な流れと必要な準備を説明します。

購入までの一般的なステップ

キュービクルの購入から設置までは、いくつかの段階を経て進められます。専門知識がなくても、全体の流れを把握しておくことで、スムーズに導入を進めることができます。

電力使用状況・容量の確認

まず現在の電力使用状況を把握し、必要な電力容量を算出します。既存施設の場合は過去の電力使用実績を、新設の場合は使用予定の機器や設備から必要容量を見積もります。この段階で将来的な拡張計画も考慮しておくことが重要です。

H4設置場所・条件の確認

キュービクルを設置するスペースの確認を行います。屋内に設置するのか屋外に設置するのか、設置場所までの搬入経路は確保できるのか、基礎工事は必要かなど、物理的な条件を整理します。

H4キュービクル仕様の決定

必要容量や設置条件に基づいて、キュービクルの仕様を決定します。容量(kVA)、屋内型・屋外型の選択、必要な機器構成などを専門業者と相談しながら固めていきます。

見積取得・業者選定

複数の業者から見積もりを取得し、価格だけでなく対応力やアフターサービスも含めて総合的に比較検討します。この段階で疑問点は徹底的に質問し、納得できる業者を選定することが大切です。

製作・設置・受電

契約後、キュービクルの製作が開始されます。製作期間は仕様や時期によって異なりますが、通常1~3ヶ月程度かかります。製作完了後、現地への搬入・設置工事を行い、電力会社の検査を経て受電開始となります。

企業側が準備しておくべき情報

スムーズな導入のために、企業側であらかじめ準備しておくべき情報があります。具体的には、現在の電力使用量がわかる資料(電力会社の請求書など)、施設の図面や配置図、使用予定の機器リストと消費電力、将来的な事業拡大計画などです。

これらの情報を整理しておくことで、業者との打ち合わせがスムーズに進み、より正確な提案を受けることができます。

H2中古キュービクルを購入する選択肢

キュービクルを購入する場合には、新品だけでなく中古のキュービクルを購入することも可能です。

H3 中古キュービクル購入のメリット・デメリット

中古キュービクルの最大の魅力は、初期費用を大幅に抑えられることです。新品の半額程度から入手できるケースもあり、予算に制約がある場合や短期間の使用を予定している場合には有効な選択肢となります。

一方で、中古品には注意すべき点もあります。まず、既に使用された期間分だけ耐用年数が短くなっている点です。また、製造から年数が経過している場合、最新の技術基準に適合していない可能性や、交換部品の入手が困難になるリスクもあります。保証内容も新品に比べて限定的であることが一般的です。

中古キュービクルの購入が向いている場合

新品キュービクルは、初期投資は大きくなりますが、長期的な安心感とコストパフォーマンスを得られます。

一方で中古キュービクルは、初期費用を最小限に抑えたい企業、数年程度の短期使用を想定している企業、臨時的な増設や仮設用途で使用する企業に向いています。

ただし、購入前には必ず専門業者による点検を受け、残存耐用年数や部品の状態を確認することが不可欠です。

キュービクルの購入にかかる費用と見積りの重要性

キュービクルの購入を検討するにあたって、最も気になるのは購入にかかる費用でしょう。ここでは、キュービクルの購入にかかる費用と見積りの重要性について説明します。

キュービクル本体の価格と設置工事費

キュービクルを導入する場合、大きく2つの費用がかかります。キュービクル本体の購入費用と設置工事費です。また、電力会社への申請や行政機関への届出といった手続きにかかる諸経費も発生します。

キュービクル本体の購入価格は、使用できる電気容量、屋外用・屋内用などの仕様、付加機能の有無などによって大きく変わります。また、設置工事にかかる費用は、設置環境によって大きく変動し、同じキュービクルを設置する場合でも、設置場所によって数倍~十数倍の差が出ることも珍しくありません。

そのため、キュービクルの購入を検討する場合には、複数の業者から見積りを取得し、適正な価格を見極めることが重要です。

見積りを比較する場合のポイント

見積もりを比較する際、最も安い業者を選びたくなるのは自然な心理ですが、価格だけで判断するのは危険です。極端に安い見積もりには、必要な工事が含まれていなかったり、使用する機器のグレードが低かったりする可能性があります。

また、アフターサービスの質も重要な判断要素です。設置後の定期点検やトラブル対応の迅速さ、部品供給の確実性なども考慮に入れる必要があります。安価でも、トラブル時の対応が悪ければ、結果的に事業に大きな損失をもたらすことになりかねません。

見積もりでは、総額だけでなく内訳を詳細に確認し、何が含まれているのかを明確に把握することが大切です。複数の業者から見積もりを取る際は、同じ条件で比較できるように、要求仕様を統一することも重要なポイントです。

購入前に必ず確認すべきキュービクルの仕様とポイント

キュービクルを購入する際に必要となる仕様のポイントを紹介します。見積りを取得する際の前提条件ともなるため、しっかりと確認しておきましょう。

電気容量(kVA)の考え方

キュービクルの容量は「kVA(キロボルトアンペア)」という単位で表されます。これは、そのキュービクルが変換できる電力の大きさを示しています。適切な容量を選ぶことは、キュービクル購入において最も重要な判断の一つです。

容量を決定する際は、現在使用している、または使用予定のすべての電気機器の消費電力を合計し、それに余裕率を加えて算出します。一般的には、実際の使用電力の1.2倍~1.5倍程度の容量を選ぶことが推奨されます。この余裕がないと、将来的な設備増設時に対応できなくなったり、ピーク時に電力不足になったりするリスクがあります。

逆に、過剰な容量を選ぶと初期費用が無駄に高くなるだけでなく、効率が悪くなり電気料金も高くなってしまいます。適切な容量選定のためには、専門業者に現状と将来計画を詳しく伝え、シミュレーションしてもらうことをおすすめします。

H3 屋内型・屋外型の違い

キュービクルには屋内に設置する屋内型と屋外に設置する屋外型があります。

屋内型は、専用の電気室などの屋内スペースに設置するタイプで、風雨や直射日光の影響を受けにくく、機器の劣化が遅い傾向です。一方で、設置スペースを建物内に確保する必要があり、換気設備なども必要になります。

屋外型は、建物の外部に設置できるため、建物内のスペースを有効活用できるメリットがあります。防水・防塵性能が高く、風雨に耐える構造のため、屋内型に比べて本体の購入価格が高価です。

設置スペース・搬入経路の注意点

キュービクルは意外と大きな設備です。容量にもよりますが、幅2~3メートル、奥行き1~2メートル、高さ2~3メートル程度のスペースが必要になります。さらに、操作やメンテナンスのために、周囲に一定の空間を設けなければなりません。

また、屋内設置の場合は、建物の入口や廊下を通してキュービクルを搬入できるかどうかも重要なポイントです。扉の幅、廊下の幅、天井高、曲がり角の余裕などを確認しましょう。搬入経路を確保できない場合は、クレーンで窓から搬入するなどの特殊な方法が必要になり、費用が増加します。

将来の増設・拡張を見据えた設計

キュービクルを選定する際は、現在の需要だけでなく、将来的な事業拡大や設備増設の可能性も考慮することが重要です。数年後に生産ラインを増やす計画があるなら、その時の電力需要も見込んで容量を決定すべきです。

ただし、あまりに先の計画まで見込んで過大な容量を選ぶと、初期費用が無駄に高くなってしまいます。5年程度先までの明確な計画を基準に、適度な余裕を持たせた容量選定を心がけるとよいでしょう。

また、将来的にキュービクルを増設する可能性がある場合は、設置スペースに余裕を持たせておくことや、配線計画を拡張性のあるものにしておくことも大切です。こうした点についても、専門業者に相談しながら計画を立てることをお勧めします。

キュービクル購入はどこに依頼する?業者選びの考え方

特定の工事業者に依頼する予定がない場合には、どこに依頼するか業者選びをしなければなりません。しかし、キュービクルの購入や設置工事は専門的な内容が含まれるため判断が難しいと思われる方も多いでしょう。

そこで、複数の業者、少なくとも3社以上に見積りを依頼することがポイントです。複数の見積りを比較することで、価格だけでなく選定するキュービクルや工事の内容も比較することができ、適正価格を知る手掛かりになります。

複数の業者から見積もりを取った際、単純に総額だけを比較するのではなく、内訳をしっかりと確認しましょう。同じ容量のキュービクルでも、使用する機器のメーカーやグレード、工事の内容、保証期間などが異なる場合があります。

見積書の項目が曖昧な場合は、具体的に何が含まれているのかを質問しましょう。「一式」という表現で済まされている項目があれば、その内容を明確にしてもらうべきです。また、追加費用が発生する可能性についても確認しておくと安心です。

工期についても重要な比較ポイントです。安くても工期が長すぎれば、事業開始が遅れて機会損失が発生する可能性があります。価格、品質、工期のバランスを総合的に判断することが大切です。

キュービクルの購入で大切なのは「正しく知って判断すること」

キュービクルの購入は、専門知識がないと難しく感じられるかもしれません。重要なのは、購入の全体像を理解し、費用相場を把握し、失敗しやすい点に注意することです。

新品と中古の違い、容量の選び方、設置条件の確認、業者選びの基準など、それぞれの段階で押さえるべきポイントは明確です。また、購入後のメンテナンスまで視野に入れた長期的な視点も忘れてはいけません。

専門知識がなくても、信頼できる業者と適切にコミュニケーションを取り、わからないことは質問し、複数の提案を比較検討することで、自社に最適なキュービクルを選ぶことができます。本記事の内容を参考に、社内での検討資料としてもご活用ください。

まずは、複数の専門業者に相談して見積もりを取ることから始めましょう。キュービクル購入は大きな投資ですが、適切な選択をすれば、長期にわたって安定した電力供給と事業運営を支える重要な資産となります。